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 粘弾性とクリープ

 

筋膜のコラーゲン繊維は三重の螺旋状のコラーゲン分子でできています。この螺旋状の分子が筋膜独特の「くしゃくしゃ」感を与えるのです。これは深筋膜に特に目立ち、筋膜内の小さな波のようです。この形状のおかげで筋膜は大きく伸び縮みすることができるのです。ストレッチを安全な範囲で行えば体はいつも通常の形に戻ってくれます。(しかし可動域をはるかに超えてストレッチすると組織は断裂することがあります。)筋膜の働きを知る良い例をご紹介しましょう。仰向けになり左の手のひらを上に向けて床に置きます。手のひらをリラックスすると、指は自然と曲がるでしょう。次に右手で左手の人差し指をストレッチし、まっすぐにします。しかし30秒指をそのままにしておくと、人差し指ががまた曲がっているのが分かるでしょう。指が通常のレスティングトーン(休息の状態)に戻るまでに数分かかることもありますが、いずれは元に戻るのです。指を伸ばすことで人差し指の筋膜の形状を変えてしまったわけではなく、この一時的な形状の変化は筋膜の粘弾性(粘性—したたれ落ちる蜂蜜。弾性—力強い輪ゴムの跳ね返りの力を想像してください。)に基づくものです。筋膜の粘弾性が私たちの体を違った形に変えてくれるのです。しかし特定のポジションのままでずっといると、体はだんだんとその形になっていくのです。これをcreep—クリープと言います。筋骨格系の触診マニュアルの著者ジョー=マスコリーノが著書「キネシオロジー」でクリープについてこう述べています。「悪い姿勢で繊維構造を否定的に変えてしまうことがある一方、ボディワークやエクササイズで好ましくない繊維構造を肯定的に改善させることもできるのです。」ボールローリングをすると、 堅く強張った繊維に局部的にストレッチをかけ、体液の流れを改善してくれるのです。堅くなった繊維が最適な状態に戻るためには助けが必要です。YTUボールはまるで小さなメスのように切開や縫い目なしに肯定的変化をもたらしてくれます。ボールの圧力とグリップがあなたの体を内側からリモデルしてくれるのです。

 

流動性:ずぶ濡れの体内

 

海が地球の70%以上を覆うように、あなたの体もほとんど水でできています。その水分の70%は細胞の中に、30%は細胞の外に存在します。筋膜は身体中に拡がる水分のほとんどを保管する倉庫のようなもので、細胞内の筋膜、繊維質の糸を含んだ筋膜全部は体液にどっぷりと浸かっています。細胞外の筋膜液はまるでウェットスーツのような筋膜の中の細胞と繊維間を流れ、漬け込んでいるのです。つまりあなたの体内はずぶ濡れなのです。(皮膚があるから、この水分が流れ出してしまわないだけです。)そのために保湿をすることが健康のためにとても大切です。 筋膜の正常な機能と反復のためには水分が不可欠なのです。その生命体要素、線維芽細胞が非生命体要素であるコラーゲン、エラスチンによって体のパーツを縫い合わせたりつぎはぎをするため、バランス良く栄養豊富なお風呂(細胞外に釣り下がっている基質)に浸かる必要があるのです。この体液のおかげで体の組織は動き回ることができます。健康的な組織は柔軟です。壊れることなく曲がり、押すと湿って弾力性のあるスポンジのようにまた元の形に戻ってくれるのです。不健康な体制(座る、寄りかかる、前かがみになるなど)を毎日続けていると筋膜に負担と圧迫がかかり、局部的な筋膜の歪みが生じます。好ましくない体の習慣から過剰に、継続的に「強く絞られる」状態が続いた筋膜は、元の形に戻るための水分を吸収することができず、乾燥し変形していきます。乾燥した筋膜はくっつきやすく、硬いのです。 水分と動きの不足で体の組織が常に乾燥していると、筋膜はお互いにくっつき始め、癒着のダムを形成します。くちゃくちゃで濡れたままシンクの下に一ヶ月放置された古雑巾を想像してみてください。水につけないと、元のシワのない形には戻りませんよね。古雑巾や乾いたスポンジと違って、皆さんの筋膜は水をコップ一杯飲んだところですぐにふわふわには戻りません。筋膜がくっついて癒着していると、多少の水を飲んでも繊維は水分を吸収できないのです。硬くなった筋膜に動きと摩擦を起こして手なづけ、周りの体液を取り入れやすい環境を作ってあげなければなりません。そのためにYTU(ロールモデル)のマッサージボールが役に立つのです。皮膚をつかみやすくできているボール表面の圧力と多様なローリングのテクニックが水分の分子をコラーゲン繊維にくっつきやすくし、筋膜のウェブに栄養を与えます。コラーゲン繊維近辺の癒着によって多量の水分が溜まった部分は、炎症を起こしていてとても敏感なものです。この水分は細胞の廃棄物と刺激物に溢れていて、乾燥して機能性を失った筋膜と筋膜内の神経を苛立たせます。組織脱水の良い例の一つとして、数週間か数ヶ月ギブスを装着した後、外した時の状態を考えてみましょう。当然局部の筋肉は劣化し、骨と筋肉の周りの筋膜は固定された状態に慣れてしまい、自分でギブスを作って動けなくしてしまうのです。全ての筋膜の弾力性を戻すためには何週間もかけてマッサージ、フィジカルセラピー、過酷なリハビリに臨むことが必要となります。筋肉の中には、組織内の体液の流れ不足から起こる毒素蓄積に伴ってたくさんのトリガーポイントができるでしょう。Motion is lotion for the human body. 動きによって体の内部にローションを塗るように潤わせることができるのです。動きは体の機能性を取り戻すための薬でもあります。動きは暖かい体液を循環させ、水分を出し入れするポンプの役割をしてくれます。皆さんも常日頃から栄養を取り入れ、ゴミを排泄していくよう心がけましょう。

 〜Jill Miller 著「The Roll Model 」から翻訳、抜粋

 

コメント

  1. 奥山桃子 says:
    2017-06-10 22:19:52

    筋膜は70%が水分で出来ているって言うのは驚きですが、なぜなのか?少し分かる気がします。ボールを転がしていると直ぐに喉が渇くんです!それだけ私の細胞逹が水分を欲しがっている証拠なんだなってこのブログ見て分かりました。ホットヨガでもあまり水を飲まない方なのに、びっくりします。とにかく飲むんです!!だって水分が欲しくなるから。私の生徒さんもボールシークエンスで同じ事を口に出しておりました。 ちなみに脳は80%が水分で後の20%は科学的構造らしいのです。となると本当に水分を取らないければ人間は大変な事になってしまうのですね。これから雨が降っても嫌な顔しないようにします。

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